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鼻の病気

小児副鼻腔炎

 小児の鼻の副鼻腔という場所に炎症が起きた状態です。お子様の黄色く濁った鼻水が続く場合は注意が必要です。通常は副鼻腔の炎症が慢性化したケースを小児副鼻腔炎と言います。お子様の特徴として、鼻腔(鼻の中)が小さいため鼻水の流れ、空気の換気が不良なこと、鼻を上手く噛んで出せないこと、免疫力が弱い事などにより容易に副鼻腔炎を引き起こします。

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症状は?

鼻づまりと黄色の粘い鼻汁がよくみられます。においがわからない、鼻汁がのどに回るなどの訴えはあまり聞きません。アデノイドの増殖やアレルギー性鼻炎が加わることがしばしばで、これが鼻づまりをさらにひどくさせ、いびきや口呼吸を招くこともあります。また、長引く頭痛の訴えで発見される場合もあります。

検査は?

小児の場合、大人と異なりX線検査で副鼻腔の陰影を確認し、診断をつけることは被爆量を考慮しあまり行いません。必須検査というわけではありませんのでご安心ください。鼻内の状態を見れば概ね判断がつきます。しかしながら、頭痛が強い方、また治りにくい症例の場合、アデノイドの増殖など精査目的でレントゲン、CT撮影を行う場合もあります。アレルギー性鼻炎が合併しやすいため、必要な場合はこれらに関する検査も行います。

治療は?

鼻汁の除去、症状に応じて抗菌薬の投与などを行います。治療の原則は、排膿(うみを出すこと)が基本です。大人と違って小さいお子様は鼻を上手くかめないため、治りにくい原因となっていますので、小さい子は、こまめに鼻を吸ってあげましょう。鼻通りを良くして、うみが抜けていく道を開けてやると、早く治ります。むずかしい場合はこまめに通院していただき鼻の吸引をがんばっていきましょう。

アレルギー性鼻炎

アレルゲン(アレルギー症状を引き起こす原因となる物質)を吸入することで、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどの症状が出ます。風邪と違って、のどの痛みや熱などは伴いません。最近では発症の低年齢化が進んでおり、子どものアレルギー性鼻炎も少なからずみられます。アレルギー性鼻炎(通年性)の原因は、家の埃やダニの糞・死骸などです。ペットのフケやカビも原因となります。

症状は?

主として鼻と目に症状は現れ、なかでも、くしゃみ・鼻みず・鼻づまりが、その3大症状です。子どものアレルギー性鼻炎の場合は、成人に比べて鼻づまりが多く、くしゃみが少ない傾向があります。また、目の痒みや充血などの症状が、成人に比べて強く現れがちです。気管支喘息やアトピー性皮膚炎、副鼻腔炎、扁桃肥大、アデノイド肥大などの合併症がよくみられるのも特徴的です。

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検査は?

まずは、発症時期や症状の程度、家族のアレルギー既往歴などについて確認します。鼻鏡検査で鼻粘膜の状態を見て風邪などとの見分けをつけます。アレルギー性鼻炎が疑われ、原因となっている抗原を特定するためには血液検査を行います。非常に少量の血液で原因物質を特定できるイムノキャップラピッド®を導入しておりますので、お子様でも負担なく検査ができます。ぜひご相談下さい。

治療は?

アレルギー性鼻炎の症状を軽くするには、とにかく家の埃、ダニの糞・死骸、ペットのフケやカビなど、アレルギーの元にできるだけさらされないように環境整備をする(部屋をこまめに掃除する、余計な物を置かない、畳をフローリングに変える、など)ことです。その上で、抗アレルギー薬の飲み薬や鼻スプレーで症状を抑えていきます。原因から逃げることが治療の第一原則です。

アレルギー性鼻炎と副鼻腔炎の関係

 アレルギー性鼻炎のある方は、鼻の中の粘膜が腫れ気味で、鼻水が停滞するので、副鼻腔炎をよく合併します。副鼻腔から鼻につながる道を通ってうみが逃げていきますが、アレルギーの方は鼻が詰まり気味である為、一旦副鼻腔炎になると治りにくい状態になります。アレルギーのある方は、抗生剤のみでなく鼻つまりを抑える抗アレルギー剤の内服や点鼻薬を使って治療して行きます。

アデノイド増殖症

鼻の奥にある咽頭扁桃(アデノイド)というリンパ組織が、通常よりも大きくなった状態です。アデノイドは3歳頃から増大し始め、6歳頃に最も大きくなり、幼小児期に働きが活発ですが、10歳を過ぎると急に小さくなります。通常はアデノイドの肥大は病的な意味をもたないのですが、時に肥大に伴って様々な症状の現れることがあり、アデノイド増殖症と呼ばれます。

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症状は?

鼻腔と咽頭の間が閉塞することにより、鼻づまりやいびきなどの症状が現れます。乳児では、哺乳がうまくできなくなることもあります。口で呼吸するために、しまりのない顔つきになります(アデノイド様顔貌)。また、滲出性中耳炎を合併しやすく難聴になることもあります。治りにくい滲出性中耳炎の方はアデノイドの精査が必要です。また、注意力散漫、行動に落ち着きが無い、などの症状も現れます。睡眠時無呼吸症候群の原因にもなりえます。

検査は?

ファイバースコープ検査やX線検査などにより、比較的容易に診断がつきます。

治療は?

アデノイドは年齢とともに萎縮し、通常は小学校高学年になれば自然に小さくなるので、症状が軽ければ積極的な治療は行いません。しかし、症状が強い場合には、薬物の効果はあまり期待できませんので、アデノイド切除術をおすすめします。