甲状腺の疾患は、
1.腫瘍性疾患
2.ホルモン異常
3.炎症性疾患 に分類されます。
悪性・良性腫瘍があります。頚部の触診が、非常に大事になります。腫瘍を触知すれば、エコーや細胞診での診断が必要となります。甲状腺の悪性の腫瘍(甲状腺がん)は、他のがんと異なり手術の成績が非常に良いので、確実に診断をつける事が大切です。
甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンの分泌が低下する病気です。橋本病、慢性甲状腺炎があります。
甲状腺のびまん性腫大、全身症状としては、体がだるい、むくみ、除脈、体温の低下などの症状があります。定期的に採血をして、甲状腺ホルモン(チラージン)の内服が必要です。まれに、リンパ腫が発生することがありますので、定期エコー検査も必要です。
甲状腺機能亢進症
甲状腺のホルモンが過剰に出る病気です。バセドウ病があります。甲状腺のびまん性腫大、全身症状としては、やせ、頻脈、動悸、高体温などの症状があります。
甲状腺ホルモンを抑える薬(メルカゾール)の内服が必要です。内服で調整できない場合や副作用がでる場合は手術加療も必要になるときがあります。
亜急性甲状腺炎
比較的まれな病気ですが、甲状腺のウィルスの感染で急に甲状腺に痛み、圧痛、腫れの症状が出ます。機能亢進を伴うことがあります。
抗炎症剤、ステロイドホルモン剤が著効します。治療に数週間~数ヶ月かかる場合があります。原因が不明な喉の痛みで耳鼻咽喉科を受診し、見つかる事が多いです。
急性化膿性甲状腺炎
希な疾患ですが、細菌の感染によるもので、症状として、甲状腺部の痛み、腫れ(ほとんどは左)、時には頸部に腫れが及ぶこともあります。先天的にある下咽頭梨状窩瘻が原因でほとんどは幼少時に発症します。
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